ロゴネコでもわかる金融・経済用語辞典

相続税

税金・制度
2026-03-02 時点の情報です

相続税(そうぞくぜい)とは、亡くなった人(被相続人)からその遺産を引き継いだ人(相続人)に対して、取得した財産の価額に応じて課せられる国の税金です。この制度は、特定の家系に過度に富が集中することを防ぎ、社会全体で富を再分配することで機会の平等を促進する役割を担っています。課税対象となる財産には、現金、預貯金、土地や建物といった不動産のほか、株式、生命保険金、さらには骨董品や著作権などの権利も含まれます。ただし、遺産を相続した全員に課税されるわけではなく、正味の遺産額が「基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)」を超える場合にのみ、その超えた部分に対して納税義務が生じます。また、配偶者の税額軽減や、居住用の宅地評価を大幅に下げる「小規模宅地等の特例」など、残された家族の生活を守るための優遇措置も設けられています。少子高齢化が進む日本において、円滑な資産の継承や事業承継は社会的な課題となっており、金融実務においても非常に重要な領域を占めています。

📚 関連する用語

健康保険

健康保険(けんこうほけん)とは、働く人やその家族が、病気、ケガ、出産、死亡といった事態に備えて、あらかじめ保険料を出し合い、必要な医療サービスや給付金を受け取れる公的な医療保険制度のことです。日本の医療保障制度の柱であり、すべての国民がいずれかの公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」の一翼を担っています。主に会社員や公務員などが加入する「被用者保険」を指す場合が多く、自営業者が加入する「国民健康保険」とは区別されます。保険料は毎月の給与(標準報酬月額)に応じて算出され、多くの場合、雇用主である企業と従業員が半分ずつ負担する「労使折半」の形をとります。この制度により、医療機関での窓口負担は原則3割(年齢や所得により異なる)に抑えられるほか、入院などで医療費が高額になった際に一定額を超えた分が払い戻される「高額療養費制度」や、病気療養中の生活を支える「傷病手当金」などの保障が提供されます。経済活動においては、個人の医療負担軽減による消費の安定や、労働力の維持・回復を支える重要な社会的インフラとして機能しています。

住宅ローン控除

住宅借入金等特別控除(じゅうたくろーんこうじょ)とは、個人が住宅ローンを利用してマイホームの新築、取得、または増改築を行った際に、年末のローン残高の一定割合を所得税額(引ききれない場合は住民税の一部)から直接差し引くことができる税額控除制度です。一般的には「住宅ローン控除」や「住宅ローン減税」という名称で広く知られています。この制度の最大の特徴は、所得から差し引く所得控除とは異なり、算出した税額から直接差し引く「税額控除」であるため、納税者にとって非常に大きな節税効果がある点にあります。適用を受けるためには、本人の合計所得金額が一定以下であること、借入金の返済期間が10年以上であること、床面積が50平方メートル以上(特例により40平方メートル以上)であること、といった一定の要件を満たす必要があります。また、近年はカーボンニュートラルの実現に向け、認定長期優良住宅やZEH水準省エネ住宅など、建物の環境性能が高いほど借入限度額や控除期間が優遇される仕組みへと移行しています。個人の住宅取得を支援することで、住宅産業の活性化や景気浮揚を図るというマクロ経済的な役割も担っている重要な税制です。

関税率

関税率(かんぜいりつ)とは、海外から輸入される商品に対して課される関税の、商品価格に対する割合のことです。関税は、国内産業を保護するため、または特定の国との貿易関係を調整するために用いられます。関税率の設定は、その国の経済政策や国際貿易交渉によって決定され、輸入される商品の種類や原産国によって異なります。関税率が高い場合、輸入商品の価格が上昇し、国内市場における競争環境に影響を与える可能性があります。また、関税率の変更は、国際的な貿易紛争の原因となることもあります。企業は、関税率の変動を考慮して、海外からの調達戦略や輸出戦略を立案する必要があります。

103万の壁

103万円の壁とは、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計額を指し、これを超えると所得税が課税される基準。近年の物価上昇や最低賃金の引き上げに伴い、この基準を現行の103万円から178万円程度へ引き上げる議論が活発化している。引き上げが実現した場合、働く人の手取り額が増加し、個人消費の拡大が期待される。また、扶養範囲内に収めるための就業調整が解消されることで、特にサービス業や小売業における労働供給の増加が見込まれ、深刻な人手不足の緩和に寄与するとされている。