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信用買い
信用買い(しんようがい)とは、投資家が証券会社に現金や有価証券を担保として預け、その評価額の一定倍数(日本国内では一般的に約3.3倍まで)の資金を借りて株式を購入する取引のことです。「信用取引」の一種であり、株価の上昇を見込んで利益を狙う手法として知られています。手元の資金以上の取引ができるため、利益が出た際のリターンは大きくなりますが、一方で予測に反して株価が下落した場合には、損失も拡大する「ハイリスク・ハイリターン」な側面を持ちます。また、証券会社から借りた資金に対しては「買い方金利」を支払う必要があり、長期間の保有には金利コストが積み重なる点に注意が必要です。市場全体で信用買いの残高(買い残)が増えている状態は、将来的な売り圧力(反対売買による返済)を内包していると解釈され、相場の過熱感や先行きの波乱要因を分析する際の重要な需給指標となります。
含み損
含み損(ふくみぞん)とは、保有している株式や債券、不動産などの資産の時価が、取得時の価格(取得価額)を下回っている状態を指します。会計上は「評価損」とも呼ばれます。この段階ではまだ資産を売却していないため、損失は帳簿上の数値にとどまっており、キャッシュフローとして現金が失われたわけではありません。しかし、時価が回復しないまま売却(決済)すれば、その差額が「実現損」として確定することになります。反対に、時価が取得価額を上回っている状態は「含み益(評価益)」と呼ばれます。ビジネスの現場や投資において、含み損を抱えた際に「将来の回復を待って保有し続けるか」それとも「さらなる下落を防ぐために早期に売却(損切り)するか」の判断は、リスク管理における極めて重要な要素です。企業の決算においては、含み損が一定の基準を超えると資産の評価を引き下げる「減損会計」の適用が必要になる場合もあり、財務の健全性を測る指標としても重視されます。
時価総額
時価総額(じかそうがく)とは、上場企業の企業価値を評価する際に用いられる代表的な指標の一つであり、計算時点での「株価」に「発行済株式総数」を掛けて算出される数値のこと。この数値は、その企業を市場価格で丸ごと買い取る場合に理論上必要となる金額を示しており、企業の規模や市場内での位置付けを測る尺度として広く利用されている。時価総額が大きいほど、投資家からの将来的な成長期待が高く、経営基盤が安定していると見なされる傾向がある。また、TOPIX(東証株価指数)などの株価指数において、構成銘柄の組入比率を決定する際の基準としても重要な役割を果たしている。
エンジェル投資家
エンジェル投資家(えんじぇるとうしか)とは、創業前、あるいは創業して間もないスタートアップ企業に対し、自身の個人資産を提供して支援する個人投資家のことを指します。まだ実績が乏しく、銀行からの融資やベンチャーキャピタル(VC)からの投資を受けるのが難しい「シード期」の企業にとって、貴重な資金供給源となります。名称の由来は、1920年代にニューヨークのブロードウェイで公演資金を援助した裕福な後援者を「エンジェル」と呼んだことにあります。出資の対価として株式を取得することが一般的ですが、単なる金銭的支援にとどまらず、投資家自身の起業経験に基づく経営のアドバイスや、販路拡大に繋がる人脈の紹介など、事業成長を加速させる「スマートマネー」としての役割も期待されます。近年では日本でも政府による税制優遇(エンジェル税制)の整備が進んでおり、起業家精神(アントレプレナーシップ)の育成や経済活性化の要として重要視されています。
ネコでもわかる金融・経済用語辞典